「武器は、命を奪うコトのできるモノだから。それはとっても重いモノだから。だからね、この重さは命の重さなの」 本当はもっと重いのかも知れないけど、と顔を上げたシェリーは小さく笑った。 これは、青空を無くした国の物語。 |
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それでもオレは不意に思った事がある。ヒトが、同じ存在であるヒトと殺しあうのは、正しい事なのだろうか? と――。 戦場から迷い込んだ兵士が、思うこと。 |
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今日の空は驚くほどにきれいな薄紅だった。優しい色。どこか哀しくなるほどに。 犬である『おれ』のとある日常。 |
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「でも、きっとお前だけは守ってみせるから」 責任とか、その後どうするかなんて事は、その時考える余裕なんてなかった。 どこかの世界で、少年は龍を拾った。 |
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私は此処にいる。 今 此処には、私しかいない。 日常に埋まることについての構想。 |
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「――オレが、殺したって思う?」 何を今さら。 「あなたじゃなくて、誰が殺したっていうのよ」 都会の片隅で起きた、奇怪な殺人事件。 |
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「大丈夫……」 雛は何かを諭すように冬凪の両肩に手を置き、生暖かい眼差しを向けた。 「人間、その気になれば何だってできる気がするの」 「いやいやいやいや」 秋も深まる校舎裏、繰り広げられる焼き芋大会。 |
「何なのよ〜、さっきまで晴れてたのにー!」 栗花落雨奈は落ちてくる雨粒と、空を覆うように迫る雨雲に不満の声を上げながら走っていた。 雨の降る日の、一つの邂逅。 |